マーケティングブートキャンプ第2回
マーケティングとセールスの違い?
赤井です
B2BマーケティングとB2Cマーケティングの違いに加えて、よく議論になることは、「マーケティング」と「セールス」との違いです。
「売れる仕組みを作る組織がマーケティングである」ならば、次のような説明が可能でしょう。
マーケティングの基本に、価格(Price)、製品(Product)、Place(チャネル)、プロモーション(Promotion)の4Pがあります。マーケティングにおいては、この4Pのすべてがマーケティングの役割です。そして、セールスとは、最後のPであるプロモーションについて協業がすることになります。
しかし、
「マーケティング (宣伝・広告部隊だと思われているときは特に) は、あまり重要ではない。顧客のことをよく理解しているのは、セールスだ。新製品の紹介用のパンフレットや事例を作ってくれれば、大丈夫」
といったようなことが、セールス部隊から聞こえてくることも、少ないわけではありません。
前述のマーケティング定義によれば、セールスはマーケティング活動の一環です。
ただ、この言葉(セールスはマーケティング活動の一環)だけを取り上げてしまうと、
営業からは「だったら、マーケティングが売りに行けばいい!」と言われてしまいます。
余談ですが、最近流行のマーケティングオートメーションなどの議論では、「マーケティングと営業がうまく協調できない」というIssueの組み立ててで、「案件の質」へ話が進むことがあります。それも確かにありますが、ビジネス上の売上や利益責任がどこにあるのか? 、営業活動費用はどこが持っているのか? などによっても、協調に対する影響は違います。また、製品やサービスを主管するマーケティングと、広告・宣伝を実施するマーケティングとでも、営業とのコミュニケーションが違うこともあります。また、特にB2Bビジネスでは、それらを取り除いても、コミュニケーションの善し悪しは、個人スキルや性格によるところも大きいです。そのため、ことさらB2Bマーケティングを取り上げるときに、営業とマーケティングとの壁について、取り上げることはあまりプラスになると思えません。
マーケティングとセールスの違いをどこにあるのでしょうか?
例えば、対象とするセグメントに対する活動の差異といえるでしょう。
マーケティングでは、対象とする企業を一定のセグメントに分け、活動します。
- 製造業
- 関西に本社をおく企業
- 売上高1000億円以上の企業
といったセグメントです。一方、セールスは、そのセグメントの中で、具体的な企業に対して、どのようなアプローチを通じて、販売活動を行います。
マーケティングが競合比較を実施するときは、製造業に強い競合は、A社とB社で、両社と自社との比較を行います。セールスは、製造業C社において、競合がどの製品が、どの組織に張り込み、誰と人脈が深いのかといった比較を行います。
これらの違いは、良し悪しではなく、役割と責任範囲の違いです。
特に、B2Bビジネスにおいては、いかにして、マーケティングは、セールスと協調し、パートナーや顧客に自社の価値を伝えるかが重要です。
今回のポイント
マーケティングと営業の違いの一つは、対象とするセグメントに対する活動の差異
次回からの議論は、B2Bマーケティングのプランニングについて紹介します。次回をお楽しみに。